2012年12月15日土曜日

キンドル(kindle)とフランス語


 日本版キンドル(kindle)を買いました。



 さっそく、キンドルで、フランス語がどれくらい使えるかを、調べてみることにしました。







(1) フランス語の本は何冊くらいあるか?



 
まず、kindleストアにいって、フランス語の本が何冊くらいあるか、調べてみました。


Kindleストア › Kindle本 › Kindle洋書 › フランス語(French)

 
2012年12月時点で、検索結果は、 20,727 件でした。

 
英語の洋書は、1,356,185 件でしたから、フランス語は、6分の1か、7分の1程度です。




(2) どんなフランス語の本があるか?




検索結果の上位に出てくるのは、多くは、ベルヌや、フローベルや、スタンダールなどの古典が多い印象です。

 
古典は、ほとんど 0 円というのが、魅力的ではありますが、本格的過ぎて、残念ながら、私のフランス語力では、ちょっと歯が立たない感じです。


ただ、上位ランキングの中には、日本人にもおなじみの、私も持っている、Le Petit Princeや、L'étrangerもありました。


L'étranger にいたっては、キンドル版はなんと、100円!!と格安でした。





(3) 初心者向けのやさしいフランス語の本があるのか?




さて、いちばんの問題は、この私にも読めるような、初心者向けのやさしいフランス語の本があるのか、という点です。

 
まずは、児童書に行ってみました。


 Kindleストア › Kindle本 › Kindle洋書 › フランス語(French) › teens


すると、検索結果は、1,282 件。


これを多いと見るか、少ないと見るかは、微妙なラインですが、国内の大型書店の洋書売り場に、これだけの数の児童書があるかどうかを考えると、十分な感じもします。


ラインナップを見ても、なかなか楽しめそうです。


なにより、100円などと、安い本が多いのが、魅力的です。




(4)フランス語の辞書は、何があるのか?




さて、やさしめのフランス語の本があるとして、次に問題となるのは、フランス語の辞書があるのか、という点です。


キンドルには、画面上の単語を指で触れば、意味がポップアップされるという、たいへん便利な機能があります。


この機能は、本当に便利で、いちど味わったら、やめられません。


ですから、もし、キンドルにも、ちゃんとしたフランス語の辞書が、つまり、仏英や、仏仏ではなく、仏和辞典があるならば、フランス語を多読する環境は、格段に向上します。


調べてみると、


残念ながら、現段階では、仏和辞典はないようです。

 
しかし、Webster や、Collins の仏英辞典は、いくつか存在するようなので、まずは、ひと安心です。

 
 それにしても、キンドル版は、辞書が、1コイン程度と、安いのが、うれしいです。




(5)フランス語を読むうえで、キンドルが便利な点と不便な点は何か?




最後に、フランス語を読むうえで、キンドルが便利だと思われる点と、不便だと思われる点をいくつか列挙してみたいと思います。




便利だと思われる点




① まだ数は少ないとはいえ、現時点で、児童書だけで 1200冊、全体でも、2万冊のフランス語の本が、大型書店の洋書売り場に行かなくても、簡単にダウンロードできるのは、やはり貴重である。


② キンドルには、サンプル機能があるので、最初の数ページが立ち読み感覚で、無料で読める。

 これは、とくに、おもしろいかどうかよりも、そもそも読めるかどうかが気になるフランス語初心者には、ありがたい機能である。


③ キンドル版の仏和辞典がないのは残念だが、仏英辞典があるので、単語に触れるだけで意味がポップアップされるキンドルの機能は、本当に便利である。

  しかも、キンドル版の辞書は、紙の辞書にくらべて、1コイン程度と、格段に安い。


④ フランス語だけでなく、英語の洋書、あるいは、和書も、キンドル一冊で持ち運べるのは、通勤時に読むことが多い人には、何冊も持ち運ばずに済み、便利である。




不便だと思われる点




① やはり、フランス語のコンテンツ数がまだ豊富とはいえないのが、残念。


② 仏和辞典がないのも、残念。


③ 日本語で書かれた、フランス語の参考書が読めればいいのだけれど、現段階では、まだない。


④ しかし、私が考えるキンドルの最大の問題点は、英語でも、フランス語でもなく、他ならぬ日本語のコンテンツ数が、圧倒的に少ない、という点です。


 いずれ、増えていくものと期待していますが、今は、町の小さな書店にも負けるくらいの品ぞろえの貧弱さで、あの本も、この本も、キンドルで読めたら幸せだな、と楽しみにしていた本は、ひとつもありませんでした。

 
 アマゾンで扱われている和書が、すべてキンドルで読めるわけではないので、その点は、注意が必要です。




結論



英語の洋書を読むことをメインとし、フランス語や、和書は、補助的に読む、という人には、現段階のキンドルでも、たいへん便利です。 


しかし、フランス語の本を読むことをメインにしたり、専門的な和書やマイナーな和書を読むことをメインにした場合、現段階のキンドルでは、ちょっと厳しい、というのが、私の印象です。






キンドルで読める和書
キンドルで読める洋書(英語)
キンドルで読める洋書(フランス語)
キンドルで読めるフランス語の児童書